National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) This page is a page of the former research institute. We stopped updating on March 31.2001.
E-mail to webmaster (Japanese) E-mail to webmaster (English)

1969年10月要覧
通商産業省 工業技術院
機械技術研究所
はじめに 研究所全景写真など 昭和44年度(1969) 研究題目 物理制御部 機械要素機構部 熱流体部 材料工学部 生産加工部 自動車安全公害部

自動車安全公害部

<安全工学>

 最近、自動車の急増にともない,各種自動車事故による死傷者の数は年々増加している。今後さらに高速道路の発達と高速車の普及により、自動車事故のひきおこす災害は質的にも量的にも全く重大な社会問題となることは明らかである。当所では、従来実施してきた自動車性能向上の研究ならびに自動操縦機構の研究などを発展拡充して、昭和42年度より自動車安全工学の研究を開始した。
 まず、自動車の高速走行時の動特性、安全性を追求するための高速シミュレータと簡易無人操縦車の試作研究、自動車の安全走行を保証するために必要な電子的、光学的制御系の開発、衝突試験法の確立のための試験車の制御法、測定法の開発、F.R.P等による自動車用軽量構造の動的強度の研究等、自動車の安全設計のためのもの、また、タイヤ等、自動車要素の安全性、自動車用安全ベルトやブレーキの性能試験法の確立、さらに人間・機械系の最適条件を与えるような運転操縦装置の設計条件を追求するための研究を行っている.

<公害防止>

 ばい煙とならんで、自動車の急増にともなう排気による大気汚染の問題は、深刻な社会問題としてその解決のための対策が強く要望されている。当所では、新しい噴射弁の開発や、沸点以上の燃料の燃焼等、内燃機関構造の改良によるものと、アフターバーナ方式の研究も進めている。また、大気中での排気ガスの微量成分の化学反応の問題をスモッグチャンバを使って研究している。さらに、空気調和用除じん装置のろ過性能試験に用いるために、汚染された都市空気に含有される粉じんに相当する標準ダストについても研究を行なっている。

27-1-2

「ロボット操縦車」
 ひとつには解明の遅れている人間の操縦機能のシミュレータとして利用し、また有人では危険でやれない実験用の自動車の運転をするロボットを作ろうというねらいで開発された実験車である。試験車にロボットを取付けるための改造を極力少なくして、どの自動車にも簡単にすぐ取付けられることを最終目的としている。操縦操作の動力源はチッソボンベのみとし、誘導ケーブルによる自動舵取りは行わず、追従車の助手席に設けた模擬操縦装置から、無線によって舵取りと速度制御の遠隔操作を行うものである。
27-3-4

「誘導用ケーブルを利用した一道路・自動車間の通信制御システム」
 道路の両側に敷設された"ステレオ型誘導用ケーブル"を媒介として道路・自動車の情報交換を行うシステムであって、道路管理者と走行中の自動車との間の音声通信とか、自動車のコースずれ警報装置として利用することができる。図はこのシステムが高速道路に適用された場合の想像図であって、走行中の自動車には送・受信用線輪とコースずれ検出用コイルが装備されている。写真は同ケーブルが敷設されたテストコースと公開実験に使用した完全装備の自動車を示している。
28-1-2

「スレッド・テスタ(自動車衝突模擬実験装置)」
 この装置は、自動車乗員の二次衝突、自動車衝突時のシートの動特性、ヘッドレストおよびシートベルトの効果、ステアリングコラムおよびインストルメントパネルの特性などの研究に使用するもので、衝突時の加速度が再現される。 台車はシリンダ内の高圧空気で加速され、その衝撃加速度波形はシリンダ内の特殊形状のピンでコントロールすることができる。
28-1-2

「実車衝突試験」
 写真はムービングバリヤ(トラック前部に衝突用鉄板を装置したもの)による乗用車の追突実験の模様と車室内のダミーを示す。車体およびダミーの各部には加速度計がとりつけられ、その衝撃波形が測定され、高速度カメラで撮影した結果と照合し、各種の衝突実験が解析される。
29-1-2

「トラッキング・システムによる人間の制御機能の解析」

 自動車など手動機械の各種条件を単純化たシミュレータを用いて、オペレータの運転操作を測定解析する。図はトラッキング・システムのブロック図である。写真には視覚表示装置として、CRTと2軸ペン指示計が見える。またハンドル負荷可変装置によって、摩擦トルク(5〜50kgcm)・慣性(0.5〜20kgcms2)・復元トルク(2〜100 kgcm/rad)・粘性減衰(2〜100 kgcm/rad/s)・アソビ角(±0〜30°)・ハンドル軸傾斜角(水平〜鉛直)を設定できる。
29-3

「都市公害とダスト」
 各種除じん装置のろ過性能試験、および機械・計器類の摩耗試験、耐久試験などのために、各種標準ダストの開発を行っている。このうち汚染された都市空気の組成に相当する標準ダストは、路上粉じん相当の関東ローム粉、降下煤じん相当のカーボンブラック、室内粉じん相当の繊維微粒子から作られる。これらのダストを用いて、ろ材性能試験機(写真)により一般室内の換気用からクリンルームの超高性能用にいたるエアフイルタのろ過性能を調べている。
30-1

「高速自動車シミュレータ」
 人間・自動車系の高速走行時の安全性に関する研究に使用される。模擬自動車のハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル等を被験者が操作すると、それらの変化量は電気信号となって自動車の動特性を模擬する電子計算機に入り、その出力信号は視覚表示装置によってスクリーン上の光景を変化させると同時に、油圧装置によって模擬自動車をピッチングとローリングさせる。視覚表示には道路模形・テレビ方式と、映画方式が使われている。
模擬自動車とスクリーン  模擬自動車と視覚表示装置
31-1-2-3

「スモッグチャンバ」
 自動車排気ガスは大気中に放出されたのち、太陽光線の照射をうけて光化学的に反応し、有害な過酸化物などを生成する。この光化学的なスモッグ形成を実験室において再現し、排気ガスの評価を実際条件に類似して行い、排気浄化技術の先導をするための設備である。
 排気ガスを1,000〜4,000倍に稀釈する装置と内容積約10m3のテフロン窓の紫外線照射室および各種のガス分析装置からなる。排気浄化装置や燃料その他条件を異にする各種の自動車排気ガスのスモッグ形成能や他の大気汚染成分の影響などを調べる。
写真A 各種ガス分析装置  写真B テフロン窓の紫外線照射室  写真C 同照射室の内部


go back go home