機械技術研究所 1976年年要覧より
1.上肢補装具 (動かそうとする腕のなかの電圧で”義手”をうごかす)
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| 肢体障害者の社会復帰を技術面より助けるため、筋電制御形の多自由度全腕動力義手の開発を行っている。軽量で多機能な実用義手を作るため、駆動動力源の小形軽量化、少数部位の筋電位より多自由度を協調制御する方式の装置化、義手の感覚を装着者にフィードバックさせるシステム設計などを行うと同時に、義手の運動解析、構造解析、材質検査などの性能評価も進めている。
構造体に、写真(左)ではFRPやカーボンファイバ、写真(右)ではFRPやカーボンファイバを使用している。両者とも、肩部に複合形油圧サーボモータを、他は電動機をアクチュエータとしている。
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2.皮膚感覚における生体の情報処理 (ゆび先やうでが受けた信号を利用します)
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| 機械を人間の手足の拡張のごとく制御することを意図して、皮膚感覚を用いて、種々の情報を人間へ伝達する研究を行っている。
皮膚感覚を用いて情報を伝達する際の方式としては、機械振動刺激、電気パルス刺激などが考えられる。本テーマでは、これらの刺激を媒介として、加えられた情報をどの程度人間が認知できるかを明確にするために、最大16×16点の出力を持ち、計算機PDP11/40によって制御される多点同時刺激装置を開発、これを用いて刺激の周波数、振幅、部位などに対する識別能力を精神物理学的に評価する実験を進めている。それと並行して、皮膚刺激フィードバックをもつマニピュレータシステムの開発を行っている。
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3.視覚を有する高精度マニピュレータ (ひとは目で見て合わせながら物を組み立てます。きかいは固いので正確に合わせないと壊してしまいます)
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| マニピュレータに組み立て・はめ込み作業を行わせるためには非常に緻密な動きが必要と考え、0.01mmの位置決め精度をもつ7自由度高精度マニピュレータを試作した。
このマニピュレータは電子計算機で制御され、計算機はマニピュレータのつかみ部に取り付けられた1対のファイバスコープから工業用テレビを通して作業環境の視覚情報を入力し、画像をディスプレイに表示するとともに、これに基づいて作業に必要なマニピュレータの移動量を算出し位置決めを行う。現在四角柱をはじめとする棒と穴とのはめあい作業を行う制御アルゴリズムを開発し実験を行っている。
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4.一対の人間腕型マニピュレータ (ひとは右と左の手でおたがいに協力して、重さ、柔らかさ、固さや冷たさなどを感じながらしごとをします)
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| 人間は、きわめて複雑で精密な作業を苦もなくやってのけている。それは、人間が頭、目、手という三拍子そろった高性能な器官があるからといえる。2本の腕で一つの仕事をするというのも大きな特徴である。そしてその腕は特殊な形状をしており、触覚、圧覚、力感覚などの優秀な感覚機能を備えている。研究をしている一対の人間腕型マニピュレータは、人間の手のもつ特徴をすべて備えている。そして、それをコンピュータで操作するよう、いわば人間の頭の中で考えていることをプログラム化するのが研究の重点である。これによって、各種の作業が自動的に行わせることができるようになろう。
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5.インテリジェンス・カー (テレビカメラで道路を見ながらハンドルを回しアクセルやブレーキを踏みながら運転する知能「考えること」をもっているくるま) |
| 知能を持った自動車という意味で「知能自動車」とも呼ばれる。大別して三つの要素から構成される。すなわち、自動車の前方を見て道路環境の安全性を認識するための通路パターン認識装置、その認識情報に基づいてハンドルやアクセル、ブレーキを制御するための制御装置、そして実際に走行するための自動車の三要素で構成される。他の自動車や人間など障害物があれば回避したり、場合によっては急停止もできる。回避する場合でも回避量が大きい場合は、減速しながらゆっくりよけるといった動作もできる。
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6.走行機械 (くるまの行けない岩場などを歩くロボット)
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| 自動車では走行困難な道路以外の不整地(沼沢、砂漠、岩山、海底など)を対象として、各種の走行機械の開発をすすめている。写真は空気圧を駆動源とした四足走行機械の一例であって、電子回路によってディジタルアクチュエータを制御し、パンタグラフ状の下肢を系統的に駆動する方式である。これと並行して、電算機シミュレーション手法を利用した歩容解析も着々と推進されている。
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