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平成11年6月10日
スマートセンサと可変焦点レンズを用いた
実時間全焦点マイクロカメラ
通商産業省 工業技術院
機械技術研究所
概 要
機械技術研究所とデルフトハイッテック株式会社、川鉄テクノリサーチ株式会社、株式会社デンソーは、新しいアイディアに基づく「スマートセンサと可変焦点レンズを用いた実時間全焦点マイクロカメラ」を共同開発した(写真)。


開発した「実時間全焦点マイクロカメラ」は、機械技術研究所が考案した「制御アルゴリズム」とデルフトハイテック株式会社の開発した「スマートセンサ(MAPP-2200)」を、川鉄テクノリサーチ株式会社が組み合わせて「ハード化」し、このハードにより「マイクロマシン技術の研究開発」(注)において株式会社デンソーが開発した「可変焦点レンズ」を稼働させ、物体の三次元データを取り込むものである。このカメラは、「高速で焦点距離を可変しながら、読み込んだ画像を高速処理し、どこでもピントの合った画像(全焦点画像)をリアルタイムで獲得する」ことが可能となる。
このプロトタイプは、6月16〜18日にパシフィコ横浜で開催される「‘99画像センシング展」にデルフトハイテック株式会社から参考出展される。
注)「マイクロマシン技術の研究開発」:通商産業省工業技術院で行っている産業科学技術研究
開発プロジェクトとしてNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)で実施
詳細内容
今回開発した「実時間全焦点マイクロカメラ」は、従来の能動的三次元モデリング装置であるレンジファインダや、受動的三次元モデリング装置のステレオカメラとは大きく異なり、画像の持つ焦点ボケの原理を用いた手法であり、“可変焦点機構部”と“計算処理部”を含む受光素子デバイス(スマート・センサ)とからなる。この構成の大きな利点は、従来の装置における複雑なキャリブレーション問題を解決する事を可能とすると共に、画像の全ての部分に焦点の合った全焦点画像と物体の三次元構成が同時に実時間で得られることにより、微小環境内での操作を容易とするための画像情報提示を可能とした。
現在まで、全焦点画像をオフラインでソフトウェアにより獲得するアルゴリズムは考えられてきたものの、“可変焦点機構部”を高速に振らせる技術と、得られた画像情報を高速に処理する“計算処理部”の技術開発が行われなかったことから、このような装置は国内外の画像機器の専門メーカにおいても、これまで開発されていない。
・経済性・
従来のマイクロマシンにおける微視的環境においてアクチュエータを用いて微小物体を操作する場合、レンズ系の焦点深度の浅さの問題から、アクチュエータにピントを合わせると対象物体にピントが合わず、逆に、対象物体にピントを合わせるとアクチュエータにピントが合わないという、劣悪な操作環境を強いられてきた。
今回、参考出品される全焦点画像は、1フレーム1秒程度で獲得・VR表示されており、将来的には、1秒間に30フレーム(ビデオ信号レート)での実現を目指す。また、将来開発したこの「実時間全焦点マイクロカメラ」を用いることにより、マイクロマシンを操作しながら行う生産過程において作業効率を格段に向上させることを可能とすると共に、FA分野における画像検査システムの精度向上、さらには、テレ・マイクロ・サージェリーにおける応用が見込まれる。
研究の経緯
機械技術研究所における
微小作業領域の情報収集技術関連の研究経緯
当所では、細かいモノを削り出し、平面を出し、穴を開け、組み込む等の一連の加工組立を行うマイクロファクトリーを考えています。小さくって複雑で、しかも精密なモノを乾電池程度の電力で加工する。そのためには、ネジ駆動ではなく圧電素子のアイディア利用によるシャクトリ方式駆動、微小物の切削速度を上げるための超高速モータ、刃物が動くのではなく加工物が動く、縦型横型とかの概念の脱却とかで、微小部品の加工組立を再理論化、真(新)概念化する必要があります。このような理論造りと実験的な理論の検証を行っているところであります。
当所ではこのような試みの一環として、世界で最小のマイクロ旋盤を製作し公開しました。
また、2μm程度の部品をマイクロハンドとマイクロ接着剤供給装置を使って複雑な形状のものを組み立てる技術の可能性を明らかにしてきた。
本技術は、こうした当所のマイクロファクトリ関連技術の一部をなすものであります。複雑な形状のものを組み立てる作業や、あるいはバイオテクノロジーなどで必要とされる微細な細胞操作等を、遠隔操作で行うような場合、全焦点画像の提示は極めて重要であります。こうした微細な作業・操作では、目的となる対象物を人が視覚的に認識できるように拡大し、高倍率な画像で示す必要があります。しかし、高倍率にすると焦点深度が浅くなって特定の部分にしか焦点が合わず、全体が見えない状態となり作業能率が極端に低下します。例えば、マイクログリッパで微細な対象物を把持しようとする場合、グリッパに焦点を合わせるとそれとは離れた位置にある物には焦点が合わず、互いの相対的な位置関係などの観測ができなくなります。逆に、把持したい対象物に焦点を合わせるとグリッパに焦点が合わず、グリッパが見えない状態で作業をすることになってしまいます。こうしたことから、拡大映像の世界においても、全位置(視野全体)に焦点が合った画像が得られるカメラの開発が望まれておりました。
今回開発したシステムは、当所が考案した「各焦点位置で観測した映像から、演算で焦点のあった場所のみを切り出し、それら複数画像を高速で重ね合わせることで、全焦点映像を得る方式をインプリメントできる並列画像演算機能」を可変焦点レンズと組み合わせたカメラであり、今後の、実時間全焦点カメラを開発する際のベースを提供するものであります。
なお、本カメラは今後、仮想現実感システムでニーズのある、実空間を高速でコンピュータの中にモデル化して表示する技術にも展開が可能であります。
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この全焦点マイクロカメラはデルフトハイテック株式会社、川鉄テクノリサーチ株式会社、株式会社デンソーと機械技術研究所の共同研究によって開発されたものです。
また、本研究における可変焦点レンズの一部は、通商産業省工業技術院の産業科学技術研究開発制度に基づく「マイクロマシン技術の研究開発」の一環として、
[問い合わせ先]
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[技術内容のお問い合わせ先]
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実時間全焦点カメラの概略




実時間全焦点カメラの特徴

マイクロサージェリーへの応用例
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