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平成11年10月6日(水)
世界初!
デスクトップタイプの機械加工マイクロファクトリ
通商産業省 工業技術院 機械技術研究所
「発表の概要」
通商産業省 工業技術院 機械技術研究所は、工業技術院の産業科学技術研究開発プロジェクト「マイクロマシン技術」において、超小型工作機械とマニピュレータを組み合わせたデスクトップタイプ(卓上型:70 × 50cm)の超小型工場、すなわち、世界で初めての機械加工マイクロファクトリにより、超小型の玉軸受(軸径100μm、ボール径200μm)の製作に成功した。 概略パンフレット(1) 概略パンフレット(2)
今回デスクトップタイプとして集積した機械加工マイクロファクトリ(図1)は、
小型部品を機械加工する超小型の旋盤、フライス盤、プレス機と小型部品を搬送するアーム及び部品を組み立てる2本指マイクロハンドから構成されている。このような、超小型工作機械群と搬送・組立マニピュレータをデスクトップタイプの寸法に組み上げたのは世界で初めてである。マイクロファクトリは構成機器の小型化により、省エネルギー化、省スペース化、省資源化が著しく図られるばかりでなく、各種仕様に沿った構成機器再配置の際のフレキシビリティも高い。また、温度・湿度やクリーン度などの環境制御に要する資源・エネルギも著しく低減できる。機械加工、搬送・組立を含む本システムの稼働実証例として、外径900μm、軸長3mmの超小型ピボット玉軸受(図2)を製作した。この軸受はボール、回転軸及びこれらを収納するハウジングで構成される。旋盤では、100μmと500μmの直径を持つ回転軸を、フライス盤では外径900μm、内径700μmの軸受ハウジングを、プレス機では120μmの薄板を打ち抜きハウジングのカバーを製作した。これらの部品は、機械加工ゾーンから約180mm離れた組立ゾーンに、負圧把持部を持ち精密位置決めができるアームで搬送した。組立ゾーンでは、2本指ハンドにより、ハウジングの中へ外径200μmのボール、回転軸を挿入し、カバーの装着を行った。



「研究開発の内容・経緯」
機械技術研究所は、マイクロ化を21世紀の先端領域を拓く最重要研究方向と考え、もの造りにおける超小型化・高集積化に向けた世界の潮流に沿った技術開発を目指している。このため、当所は通商産業省工業技術院の産業科学技術研究開発プロジェクト「マイクロマシン技術(
1991年度〜2000年度)」に当初より参画し積極的に独自の研究開発を進めてきた。また、当所が1990年に提案した「マイクロファクトリ」即ち「小さい部品に合った超小型生産工場」の概念は、本プロジェクトの中でも採用され、現在機械加工も含めて幅広い研究開発が精力的に進められている。機械技術研究所が提案した超小型生産工場:マイクロファクトリーの展開は、従来の工場の概念を大きく変え、省エネルギー、省スペース及び省資源化が飛躍的に進展する新しい生産システムの実現を可能にすることになる。
1996年に世界最小でかつ切削精度の良い「マイクロ旋盤」が当所より創出され、大幅な省エネルギー効果を実証した。この旋盤の開発を契機に、実際に工作機械を小型化しようという動きが見られ、現状の旋盤の大きさの1/5程度にしようというダウンサイジングの試みが、地域技術の産官学の連携のもとで技術開発が開始されている。その後、1997年に我が国の箸の動作を取り入れた2本指マイクロハンドにより高さ25μmのマイクロかかしの組立に成功し、微細組立の基盤を築いた。1998年には、機械技術研究所と(財)科学技術国際交流センター共催による初めての「マイクロファクトリ技術に関する国際ワークショップ」が世界各国のマイクロファクトリ第一線研究者の参加を含めつくばで開催され、マイクロファクトリの概念を世界各国に浸透させた。今回の試みは、マイクロファクトリの概念を具現化したものであり、新産業創出への足がかりになるものと確信している。
以下、各機器要素の概略を示す。
マイクロ旋盤(図3)
長さ32mm、奥行き25mm、高さ30.5mm、重さ100g
主軸モータ:定格動力1.5W
加工精度 :表面粗さ最大1.5μm、真円度約2.5μm
マイクロフライス盤(図4)
長さ119mm、奥行き119mm、高さ102mm
主軸モータ:定格動力56W
シャンク径3mmのエンドミルを装着し、平面加工及び穴開け加工が可能。
マイクロプレス機(図5)
長さ
111mm、奥行き66mm、高さ170mmプレス用モータ定格:
100W定格プレス荷重:
3kNダイセット寸法:
30×40×52mm打ち抜きと曲げを組み合わせた6工程の順送加工が可能
マイクロ搬送アーム(図6)
アーム最大長約
100mm、並進3自由度+鉛直軸回り回転1自由度水平方向への位置精度約
20μm消費電力
45W水平多関節型機構とパラレルリンク機構を複合することにより、コンパクトな機構と広い動作領域
(直径約200mmの円内)を実現負圧による物体吸着
+組立作業時の誤差吸収+接触力センシング機能を有する複合デバイスを先端に搭載2本指マイクロハンド(図7)
ハンド本体、外径
48mm,高さ65mmの円柱の形状、内部に駆動用圧電素子を各指に対し3個使用作業範囲 約
100μm×100μm×30μm移動の分解能
1μm以下200μm以下の対象物の操作可能
顕微鏡下のステージ機構(可動領域
30mm×30mm×15mm)との組み合せで広範囲で高精度な位置決め操作可能
「発表者氏名」
総合:
所属:工業技術院 機械技術研究所
極限技術部 微小機構研究室 室長
Tel: 0298-61-7059、 Fax: 0298-61-7129、e-mail: tanaka@mel.go.jp
マイクロプレス機、マイクロ旋盤:
芦田 極(極限技術部 微小機構研究室)マイクロフライス盤、マイクロ旋盤:
三島 望(生産システム部 生産機械研究室)マイクロ搬送アーム:
前川 仁(ロボット工学部 感覚制御研究室)2本指マイクロハンド:
谷川民生(ロボット工学部 自律制御研究室)遠隔制御:
金子健二(ロボット工学部 感覚制御研究室)
「問い合わせ先」
機械技術研究所
統括研究調査官 千阪文武/石塚一則Tel: 0298-61-7049、 Fax: 0298-61-7033、 e-mail: chisaka@mel.go.jp
機械技術研究所
企画室Tel: 0298-61-7016、 Fax: 0298-61-7033、 e-mail: khosa0@mel.go.jp




