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経済産業省傘下の独立行政法人
産業技術総合研究所について
2001年1月30日
○独立行政法人 産業技術総合研究所の発足
2001年4月1日より、独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研と略称)が発足します。産総研は、省庁再編に伴う国の試験研究機関の独立行政法人化に際して、旧通商産業省工業技術院傘下の研究機関(表1)と計量教習所の、あわせて16機関が統合して誕生するものです。この結果、つくばをはじめ日本各地に拠点的に配置された研究施設を引き継ぎ、職員数 約3200人を擁する、わが国最大規模の公的な研究機関が生まれることになります。
表1 産総研として統合する旧工技院15研究所
<在つくばの研究所>(8研究所)
産業技術融合領域研究所、計量研究所、機械技術研究所、物質工学工業技術研究所、生命工学工業技術研究所、地質調査所、電子技術総合研究所、資源環境技術総合研究所
<在地域の研究所>(7研究所)
北海道、東北、名古屋、大阪、四国、中国、九州の各工業技術研究所
○産総研は何を果たすか:産総研のミッション
産業技術総合研究所設置法(個別法)には、産総研が@鉱工業の科学技術に関する研究開発、A地質の調査、B計量の標準、C技術の指導と成果の普及 に関する所掌業務を遂行すべきと規定されています。具体的には、以下の3つのミッションを担って研究展開を図り、研究成果の発信と成果の普及に努めます。
(a)計量の標準や地質の調査、更にわが国のテクノインフラ整備にかかわる基盤技術の構築など、高度の中立性、公正性、信頼性等を背景とした基盤的・プラットフォーム的技術の研究・開発。
(b)実用化まで長いリードタイムと高いリスクを要し、国自らが課題解決に取り組んでいくことが求められているエネルギー・環境技術などの研究。
(c)国際的な産業競争力強化や新産業の創出に向けて、幅広いスペクトルでの探索と分野融合によるイノベーションを推進すべき研究。
上記のミッション遂行に際しては、開放性を重視して産総研を知的創造の場として提供し、産学官の研究ポテンシャルの結集による、新たな技術的ブレークスルーの実現、新技術分野の開拓など、パイオニアとして常に世界トップクラスの成果の発信を目指します。同時に、積極的な成果普及や標準化活動を通じ、国民更には全人類の知的財産の形成・知的空間の拡大(文化の創造)に貢献します。
○産総研の新しい体制は?:機動的・自律的組織構成
産総研発足に際しては、別紙組織図に示すように、産総研および独立行政法人化のメリットを最大限に発揮し、かつ組織の自律性を確保するための組織設計を行ってきました。
例えば、研究分野の特殊性や研究のミッション、研究開発のフェーズの多様性に的確に対応するため、さまざまな形態の研究組織を配置しています。その柱となるのは次の2つです。
<研究センター>
研究センターは、研究資源(予算、人、スペース)を優先投入して、先導的・集中的に戦略的プロジェクトを推進する組織です。研究センターは、学界、産業界、社会に対するインパクト、ミッションの明確さを選考基準とし、時限的(3年―7年)に設置される機動的組織であることを最大の特徴としています。独立行政法人化の第1期には、以下に示す23研究センターでスタートします。センターはトップダウン型マネージメントにより運営することを踏まえて、センター長には、当該分野のリーダーシップを有した人材を国内外からも登用しています。
研究センター 深部地質環境研究センター
次世代半導体研究開発センター
活断層研究センター
サイバーアシスト研究センター
化学物質環境安全研究センター
マイクロ・ナノ機能広域発現研究センター
フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センター
ものづくり先端技術研究センター
ライフサイクルアセスメント研究センター
高分子基盤技術研究センター
パワーエレクトロニクス研究センター
光反応制御研究センター
生命情報科学研究センター
新炭素系材料研究センター
生物情報解析研究センター
シナジーマテリアル研究センター
ティッシュエンジニアリング研究センター
超臨界流体研究センター
ジーンディスカバリー研究センター
スマートストラクチャー研究センター
ヒューマンストレスシグナル研究センター
界面ナノアーキテクトニクス研究センター
強相関電子技術研究センター
<研究部門>
研究部門は、産総研のミッション達成と中長期戦略の実現に向けて、研究者個々人の発意に基づくボトムアップの研究テーマ設定を基本とし、一定の継続性を持って技術的ポテンシャルを発展させ、専門能力を涵養する場と位置づけられます。@ニーズ・ミッションへの対応の明確化、A分野融合による新技術領域の開拓、B技術的親近性による組織力の発揮を指針として、成果の評価に基づいて組織の見直しを行います。産総研発足時においては、以下に示す22研究部門でスタートします。
研究部門 計測標準研究部門
光技術研究部門
地球科学情報研究部門
生物遺伝子資源研究部門
地圏資源環境研究部門
分子細胞工学研究部門
海洋資源環境研究部門
人間福祉医工学研究部門
エネルギー利用研究部門
脳神経情報研究部門
電力エネルギー研究部門
物質プロセス研究部門
環境管理研究部門
セラミックス研究部門
環境調和技術研究部門
基礎素材研究部門
情報処理研究部門
機械システム研究部門
知能システム研究部門
ナノテクノロジー研究部門
エレクトロニクス研究部門
計算科学研究部門
<研究管理・研究支援部門>
研究実施部門を支える研究管理・研究支援部門においては、理事長のトップダウンマネージメントのもとに法人全体のコントロール機能を果たす「企画本部」、外部機関との研究交流を強力に推進する「産学官連携部門」、最先端の技術動向、研究開発動向を踏まえて、国としての産業技術戦略を提案する「技術情報部門」、海外機関との研究協力締結や海外拠点の設置・運営など国際展開を担う「国際部門」、成果発信・成果普及の中核機能を果たす「成果普及部門」を設置するなど、産業技術に関する研究立案・実施・普及を通して国内外の要請に的確に答える自律的な組織体制を整えています。
また、研究の方向性と目標達成状況を厳正に評価して組織運営にフィードバックするため、産学官の有識者を組織化して組織の評価を推進する「評価部」を設置するなど、組織の自律性の確立に努めることとします。
○新しい組織の特徴:独立行政法人制度を最大限に活かした新組織
新しく生まれる産総研は、研究者個々人の創造的研究活動と国際貢献を基に、「社会のための科学技術を先導・提言する創造的研究者組織(集団)」を目指しています。更に、他の独立行政法人にない、次のような特徴を有しています。
@分野融合の推進によるフロンティア開拓
これまでの15研究所を背景として、バイオから地球科学まで、産業技術のほとんどの分野をカバーできる幅広い研究人材を有しており、技術分野間の融合による新しい産業技術フロンティアを創生できること。
A全国拠点のネットワーク化による産学官連携の推進
北海道から九州まで日本全国をネットワークで繋いだ拠点配置により、さまざまな技術ニーズと産総研のもつ研究シーズとの融合を促進し、産学官連携における知的創造の場を広範囲に提供できること。
B政策部局と一体となった推進による産業技術政策への貢献
15研究所、計量教習所に加えて、工業技術院の一部も産総研に移行することにより、政策部局と実施部門が一体となった運営が可能になること。また、産業技術に係わる研究・開発の実施とともに、産業技術政策立案への貢献がおこなえること。
<東京とつくばの2本部体制。お台場を含めた全国8研究拠点>
経済産業省内に法人運営全体に関する企画機能を持つ東京本部におき、研究企画及びその他の本部機能を、大規模研究開発拠点である筑波に配置します。また、これまでの工業技術院傘下の研究所を引き継いで、北海道(札幌)、東北(仙台)、中部(名古屋)、関西(大阪)、中国(呉)、四国(高松)、九州(鳥栖)に研究拠点を配置するほか、新たに臨海副都心(お台場)にも産学官連携の核となる研究拠点を設置します。その上で、業務運営の効率化を重視した本部への集中原則のもとで、各拠点の機能を最大限に発揮するための各種機能の集中・分散の適正化を進めます。
<従来の国立研究所としての制約の撤廃に基づく自律的運営組織>
産総研では、独立行政法人化により国の機関としては避けられなかった定員や機構の管理から外れることになります。この結果、産総研発足時で2400人余という研究者マスの大きさを活用して、ライフサイエンスや環境、情報という時代の要請の高い産業技術の研究分野に人的資源を集中的に投入したり、また横断的・融合的な新しい研究分野を推進する研究単位を機動的に立ち上げたりすることが可能になりました。
組織運営においても、会計法や国有財産法等の制約が除去され、共同研究の推進や知的財産権の活用が積極的に進めやすくなります。加えて運営交付金制度の導入により、予算費目や単年度会計制約の撤廃など、自由度が飛躍的に増加し、予算の効果的・効率的運用が可能になります。一方、国による事前関与や統制が軽減された分だけ、事後評価や成果の公表において独立行政法人側が果たすべき責任が増大したことになり、自律した組織運営が求められることになります。
<2001年1月30日 プレス発表 配布資料より>
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