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研究成果と工業化
1950〜1970

当所で開発,工業化されている主な機械(1950〜1970  1976要覧による)
1.数値制御中ぐり盤 "Jidic" 1959年3月試作機完成.1960年日本機械学会賞.”Jidic7”実用化
 電子計算機で作成した孔あきテープで工作機械をいわゆる数値制御する技術は当時きわめて新しかった.当所では,数値制御ジグ中ぐり盤の開発研究を行ない,1959年3月に試作機を完成した.この機械には精度1μの完全ディジタル検出方式,バラメトロソ3500を用いるデータ処理装置,加工時における剛性を考慮した新しい構造等独創的なアイデアが盛られた.本機の試作により1960年日本機械学会賞を受けた.なお本機は民間企業によって ”Jidic7” として実用化された.
2.精密標準尺の刻線機と較正機 1959年研究開始.全長1000mmで精度2μ以内の標準尺の試作成功.1964年日本機械学会賞
 精密標準尺は精密工作機械,測定機器に使われ,精密機械工業の基本となる重要な”ものさし”である.世界最高水準の標準尺を製作する技術を開発するため1959年から研究が始められた.精度の測定と目盛を刻むこととは密接な関連があって切離すことができないので,校正機と刻線機の両方が試作された.校正機によって一つの標準尺の精度を精密に測定し,次にそれを母尺としてならい補正によって新しい,より精度の高いものさしを作るという考え方に立った.その結果,全長1000mmにわたり精度2μ以内というきわめて優れた標準尺を刻線機を使って刻み込み試作することに成功した.1964年に日本機械学会賞を受けた.
3.玉軸受のラジ7ルスキマ測定機 (1)中型玉軸受のラジアルスキマ測定機
1960年度通産省の鉱工業技術試験研究補助金で試作.1962年第5回明石記念賞

 この測定機は,当所における研究をもとにして,日本ペアリソグ工業会技術部会スキマ分科会が,1960年度の通産省の鉱工業技術試験研究補助金の交付を受けて,当所の指導のもとに試作を行なったもので,その特徴は,ラジアル玉軸受のラジアルスキマを±1μの精度で測定できることであり,この測定原理はJISB1515−1965コロガリ軸受の測定方法の解説に示されているものである.当時,軸受工業会をはじめ各方面で,ラジアルスキマの基準測定機として使用され,1962年に第5回明石記念賞を受けた.

(2)大型玉軸受のラジアルスキマ測定機
1962年日本ベアリング工業会試作.1965年9月に当所が完成させた

 この測定機は,外径70mm以上200mm以下の玉軸受のラジアルスキマを±1μ以下の誤差で測定できることを目標に,日本ベアリング工業会のスキマ分科会が中心になって1962年に試作したものであるが,技術的に種々むずかしい点があったので,当所の機械部機械要素課で種々な検討を加え,1965年9月に完成にいたったものである.当時,標準的なラジアルスキマ測定機として利用された.
4.自動操縦車 1962〜1966年度に自動車の自動操縦の研究開発.1967年3月末時速100キロの無人走行に成功.1973年第18回自動車技術会学術賞
 1962〜1966年度に自動車の自動操縦の研究開発が行われた.機械試験所東村山分室テストコースで,周回路の一部の路面下に埋設したループコイルと,パラメトロンユニットで構成された装置との組み合わせで自動追突防止実験に成功した.1967年3月末には,茨城県筑波郡谷田部町の自動車高速試験場テストコースにおいて,周回路に埋設された誘導ケーブルに沿った自動舵取りと,無線による遠隔速度制御によって,時速100キロの無人走行に成功した.1973年4月に,これらの成果「自動操縦に対する誘動システムの研究」により第18回自動車技術会学術賞を受けた.
5.切削標準の設定と工具寿命計算尺 1957年旋削標準設定の研究開始.旋削標準表および同時計算表の普及により1960年日本規格協会文献賞,1964年日本機械学会賞.1968年工具寿命計算尺開発:約10,000本普及
 1957年度より生産加工技術に関する特別研究の一環として,旋削標準設定に関する研究を開始し,24種類の主要JIS材料の標準設定を完了した.これらの旋削標準は,工具寿命を基礎としたもので,製造現場における生産コストに直接的な結びつきをもつと同時に,品質および生産管理上直接役だつよう旋削標準表および同時計算表として発表,広く業界に配布利用された.本研究における論文に対して,1960年10月に日本規格協会文献賞,1964年4月に日本機械学会賞が授与された.その後,さらに同研究によってえられた実験結果を基にし,これを最大公約数的にまとめ,かつ,内外の研究実験資料を参考にして1968年に工具寿命計算尺を開発した.同計算尺は各製造業界に行きわたり(その数約10,000本),生産性の向上に寄与した.

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