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期間:1997年4月〜現在
近年,半導体製造技術に代表されるマイクロ加工技術の発達に伴いマイクロマシンの概念が提唱されている.
その最も応用が期待される分野として医療分野が挙げられ,幾つかの能動カテーテルが提案されている.
しかし,マイクロ加工技術のほとんどは薄膜技術であり,センサ,制御回路などの平面的な構造物は容易に構成できるのに対して,これらを集合させてマイクロマシンとするとき多くの困難が生じる.
この理由としてはマイクロメートルオーダにおける3次元構造物の製作や組立て,配線,接合などの問題が挙げられる.
我々は問題点が従来の機構をマイクロ部品を集合させて構成することにあると考え,製造しやすい機構にマイクロマシンの機構自体を変更する方法を考えた.
すなわちマイクロ加工が容易な平面構造から直接立体を作れば,組立てや配線の手間が省け非常に容易に生産できる.
そこで我々は,平面から容易に円筒を製作できる螺旋構造に注目し,これを能動カテーテルに応用した螺旋構造能動カテーテルを提案する.
図1を用いてに我々の螺旋構造能動カテーテルの基本概念を示す.
本手法は柔軟性のある帯状の基盤にセンサ,制御回路,アクチュエータの各要素を構成し,それをカテーテルの周囲に螺旋状に巻いて,管状の構造物を作るものである.
図1には1単位が4自由度を持つものについて示すが4自由度に限定されるものではない.

図1では帯の上部と下部はリニアアクチュエータで連結されそれぞれの間隔が動くようになっている.
アクチュエータは4つで1周ができるように螺旋状に構成する.
アクチュエータの長さを変えることで屈曲と伸縮,軸周りの回転を行うことができる.
用途や管の柔軟性に応じて少ないアクチュエータや回転アクチュエータを利用することができるがその説明は後述する.
また各アクチュエータごとに制御回路が作られ,それらが帯に沿った信号伝達線で連結されている.
また動力伝達線も同様に帯に沿って作られ,その制御は各アクチュエータごとに制御回路で制御される.
またセンサーがある場合も同様に信号線を通して信号の制御・伝達がされる.
必ずしも制御回路やリニアアクチュエータ,センサを有していなければならないものではないが,図1のようにすることで本手法の特長が最大限に生かせると考えられる.
本手法の特徴としてはセンサや制御回路,アクチュエータ,配線がすべて連続した同一平面内で行えるため,機能の高度化や多自由度化が容易であることが挙げられる.
従来の方法では個々のアクチュエータやセンサは別々に製作されていたため,組立て段階の作業が煩雑で量産には不向きである.
それに対して薄膜技術による配線の集積化と制御回路組込みによる省線化が可能である.
多自由度化や高度化が容易になれば,従来のように先端が屈曲だけのものではなくヘビのように能動的に推進力を発揮するものや先端に高度なセンサを備えたカテーテルが開発できると考えられる.
図1には1巻きあたり4自由度を持つ螺旋構造を例として示した. その他に図2に示しめされるようなタイプが考えられる. 図2には螺旋の1巻を切り出した構造が示されている. 螺旋構造全体はこの構造が多段に組み合わさって構成されている. 図中のDOFは1巻きあたりの自由度でありz軸を螺旋の長軸としている. またp, q, rはそれぞれx, y, z軸回りの回転を示す. 1巻きあたりの変位であることから微小変位を示すdが添えられている. x, y軸回りの回転(dp, dq)を区別せずに屈曲,z軸回りの回転(dr)をねじり,z軸方向の変位dzを伸縮と呼ぶこともある.

図2の(a)(b)(e)では任意のリニアアクチュエータを,(c)(b)では屈曲を記憶させたSMA(形状記憶合金)などの屈曲アクチュエータを想定している. (a)は2方向の屈曲と軸方向の伸縮,軸回りのねじり,(b)は屈曲と伸縮,(c)は屈曲とねじり,(d)(e)は屈曲をそれぞれ実現する. (e)は2つのアクチュエータで十分であるが対称性を考慮して4つ示されている.
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