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松本 壮平 (極限技術部 量子技術研究室)
Andreas Klein (ドレスデン工科大学)
前田 龍太郎 (生産システム部 界面制御研究室)
超小型の化学分析システムなどの実現に向けて、液体用ポンプのマイクロ化が重要な課題となっている。その中で、機械的に動く弁(バルブ)を持たない「バルブレス・ポンプ」は、シンプルな構造と高い性能で注目されている。バルブレス・ポンプでは、流れ方向によって異なる流動抵抗を発生する「動的バルブ」によって整流効果を実現する。ディフューザ/ノズル型の流路を用いたものが代表的である。
この研究では、温度による液体粘性の変化を動的バルブの原理として利用する新しいバルブレス・ポンプを開発した。液体加熱用の信号により動的バルブの整流効果を変化させることができるため、ポンプ動作の柔軟な制御が可能である。

水やエチルアルコールなどの液体の粘性は温度が上がると小さくなる。このポンプでは、入口と出口の流路内の液体を交互に加熱・冷却することで、いずれか一方が他方より流れやすくなるようにする。これをシリコン膜に圧電素子を接着した圧電アクチュエータによる圧力変動にあわせて高速で繰り返すことによって、正味の流れが得られる。加熱のタイミングを変えるだけで、逆方向にも液体を流すこともできるのが特色である。
液体の温度を高速で変化させるため、加熱される部分を小型化して熱容量を小さくしている。シリコン微細加工技術により試作したプロトタイプを用いた実験では、最大で毎分約5マイクロリットルの流量が得られた。試作したマイクロポンプの構造を次に示す。
松本 壮平 / sohei@mel.go.jp