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【マイクロファクトリ】
小さい部品を作るのに必要なエネルギーは、大きな部品を作るよりも小さくて済むはずです。しかし現在の工場では、ピンセットでつまむような部品でも、人間の大きさに近いサイズの生産機械によって作られています。このため、生産機械自体を運転するために大きなエネルギーを要し、工場全体の消費動力は、大きな部品を作る場合と変わりません。
もし、生産機械の大きさを部品の寸法に合わせて小さくできれば、小さな部品を作る工場は非常に小さくなり、省エネルギー効果が期待されます。機械技術研究所では、この点に着目して、これまでの1/10〜1/50程度の大きさの生産機械を配置した小型工場(マイクロファクトリ)を提案しました。マイクロファクトリの実現の可能性や具体的な省エネルギー効果を調べています。さらにマイクロ旋盤を開発して、生産機械の小型化に必要な技術(マイクロファクトリ技術)の研究を進めています。
生産機械が小さくなってマイクロファクトリが実現すれば、図1のように工場が机の上に載るかもしれません(省スペース効果)。また工場を建設する際の材料も節約できます(省資源効果)。

【マイクロ化の効果】
加工精度は生産機械にとって最も重要な性能の1つです。図3はマイクロ旋盤で実際に加工した材料です。左のシャープペンの芯と比較すると、細さがわかります。黄銅の最も細い部分の太さは100μm(1μmは千分の1mm)で、髪の毛に近い太さです。そして、削った表面の凹凸(表面粗さ)は最大で約1.5μm、真円からのずれ(真円度)は約2.5μmで、普通の旋盤とほぼ同じ精度で加工できました。
マイクロ化によって最も大きく現れたのは省エネルギー効果です。図4はマイクロ旋盤のモータの動力がどこで消費されているのかを表したものです。材料を削るために使われたエネルギーは全体の5%程度(0.07W)です。普通旋盤では1kW(1kW=1000W)以上のモータを使っていますから、99.99%以上が運転のための動力になります。
マイクロ旋盤は、加工精度を損なわずに、大幅な省エネルギー化が可能であることを示しました。そして、産業用ロボットや搬送装置が小型化すればマイクロファクトリが実現できます。マイクロファクトリでは、作る製品に応じて生産機械の配置を簡単に変えられます。また空調に必要なエネルギーも節約できます。ますます小型化する工業製品に対応した21世紀の工場の姿です。
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【関連文献】 |
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最終更新日:平成10年8月20日 | |
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研究担当:芦田 極 |