- 高速X線CTの特徴
医療用X線CTの約250倍の速度でスキャンできる電子ビーム制御型高速X線CTを使って、原子力や化学工業プラントなどで重要となる気液二相流(気体と液体が混合して流れる流れ)の流動パターンを計測しています。X線CTは、X線が測定対象物を透過するときに起こる減衰を利用しているので、複雑な構造の流路や、外からは目で見えない内部の構造を、非接触で計測できる特徴を持っています。さらに、高速X線CTは、流れや動く物体など、通常のCT計測では測定できない移動・変形対象物の内部を可視化することができます。
システムの構成を図1に示します。高速スキャンを実現するため、18個のX線源と122個の検出器を固定配置し、ビームのオン・オフを途中のバイアスグリッドで電気的に調節しています。一回の測定で一秒間に250コマ、最大約14秒の撮影が可能です。収集されたデータは、ワークステーションに転送されて画像再構成されます。
- 気液二相流の測定例
図2に、このようにして得られた二相流の気相分布(ボイド率分布)とその二値化画像を示します。内径42mmの垂直管内に外径8mmのロッドが3本入っており、その間を二相流が流れていきます。このような流れは、ボイラーや原子炉内で見られます。これまでは、このような流路の断面で二相流を可視化することは困難でしたが、CTの原理を利用すると、非接触でこのような可視化が可能になります。
図3は、画像再構成で得られた2次元画像にある厚みを与えて、順に重ねていったものを横から見た図です。測定断面を通過していった二相流がどのようなものであったかが一目瞭然となります。現在、これらのデータを解析し、二相流の空間的構造や管群との相互作用を解析して、多次元性を考慮した二相流のモデル化に取り組んでいます。
- 今後は。。。
この研究は、国立研究機関原子力試験研究費「高速X線CTを用いた多次元熱流動計測の高度化」(H10-H14)の一環として行っているものです。計画の中では、高速性に加えて、さらに複雑な界面形状や微小気泡液滴に対応した高解像度化、移動速度や変形速度が計れる多機能化を目指しています。
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図1 電子ビーム制御型高速X線CTの概要
図2 管群内のボイド率分布の再構成画像と二値化画像 フレーム間隔は4ms、jg=0.41m/s, jl=0.19m/s
図3 ボイド率分布の軸方向変化 側面図は、測定面を通過するボイドの時間変化を表している 体系A:jg=0.41m/s, jl=0.19m/s 体系D: jg=0.38m/s, jl=0.17m/s
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