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−独立行政法人への新たな飛躍−

機械技術研究所

所 長 理学博士 大山 尚武

 機械技術研究所は昭和12年(1937年)8月東京市京橋区木挽町に商工省工務局の「機械試験所」として設立されました。以来,63年間に亘って,工作機械や自動車を中心とした機械工業の振興につとめ,欧・米に追いつき追い越せを目指して,所員一同一丸となって努力してまいりました。今では,日本の機械工業の出荷額は約100兆円/年(製造業全体の1/2,国民総生産の1/8)に達し,日・米・欧の大接戦の時代となっております。機械技術研究所は,その歴史的使命を果たし,まさに閉幕の時が刻一刻と近づいてまいりました。

 今年(2000年)5月には,NC工作機械の研究開発に大きな足跡を残された窪田雅男元所長(元工業技術院長)が逝去され,9月には筑波移転の総指揮をとられた本田冨士雄元所長があいついで亡くなられ,星落つ秋風五丈原といった感を深くしております。

 一方,国内全体を見渡すと,戦後体制の綻びが到るところで見え始め,改革の嵐が吹き荒れております。その一環として新しい国の形を求めて行政改革も行われ,2001年4月1日には,当所も独立行政法人産業技術総合研究所の一部として生まれ変わることになりました。現在の15研究所が一つになり約3200名という国内では最大規模の研究所となります。新しい研究所の理念や組織設計は40才前後の若い行政職員や研究職員達により行われてきている点は特筆に値します。

 独立行政法人産業技術総合研究所は,研究部門と研究センターから構成され,当所からはエネルギー利用研究部門,知能システム研究部門,人間福祉医工学研究部門,機械システム研究部門とマイクロ・ナノ機能広域発現研究センター,ものづくり先端技術研究センターなどのユニットに主として配置されます。

 地球規模では成長の限界が見え始めた中で,我が国はものづくりの国際競争力を堅持しつつ,雇用を確保していく必要があります。ものづくりの最前線を支援するための“基盤技術の強化と先端技術への挑戦”はさらに活発に展開されていくことが期待されます。これからの技術変革は,産業の発展と同時に環境や人間と調和する技術体系を構築していくことにあります。

 新たな独立行政法人産業技術総合研究所においては,産業界や大学さらには関係機関との連携を図りつつ,ものづくりの基盤を支えるとともに,将来,大きな発展をもたらすための布石となるような研究成果が次々と生み出されるものと確信しております。

平成12年11月


機械技術研究所六十三年史  序 文 より


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