バイオロボティクス研究室
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筑波大学大学院
システム情報工学研究科知能システム専攻
谷江和雄研究室

Biorobotics Laboratory


研究室の概要
教授紹介
研究テーマ及び最近の成果
主な文献リスト


研究室の概要

ロボティクスは、生物が持っている機械システムにはない様々な特徴に注目し、それを工学的に理解して、新しい機械システムの構築に役立てようとする研究分野です。こうした生物の機能にヒントを得て、機械を設計することは、人に優しい機械を構成する上でも重要です。バイオロボティクス研究室では、人の手・腕が持つ技能を機械化する基礎的な研究から、人が容易に操作できる遠隔操作型ロボットの研究、人が生活する空間で人にサービスを提供する人間共存型ロボットの研究などの研究を、内外の研究者(機械技術研究所選任研究者6名、外国人研究者3名、大学院生8名(内筑波大連携大学院4名)が行っています。


教授紹介

教授 谷江 和雄
専門分野 ロボット工学


研究テーマ及び最近の成果

    スキルの機械化に関する研究

  • 多指ハンドの機構と制御の研究
    人の手のように動く関節をもつ指を備えたハンドで物体を安定に操る技術研究している。力と柔らかさを制御できる多指ハンドの機構と指先に装着できるコンパクトな触覚センサを開発、また、安定物体把握理論を構築した。
  • 非ホロノミック拘束を含むロボット系の運動制御
    筋を弛緩させて、慣性を利用して関節を動かしたり、あるいは物を押す動作や、物を投げてその姿勢を変えるなど、数々の非ホロノミック拘束力学系で説明できる人の行動を機械化する研究を進めている。受動関節を含むロボットアームの運動制御理論が構築された。
  • 協調行動の自律的生成法に関する研究
    同一のソフトウエア構造、および機能をもつ複数のロボットが、ある仕事を協調して行う際の役割分担を自律的に生成するアルゴリズムを研究している。各ロボットが共通に行動の基本モジュールを持ち、相手の行動選択状況と作業の達成状況を観察した結果から、適切な基本行動選択を学習するアルゴリズムが開発された。

    ロボットの遠隔操作の研究

  • 仮想環境を利用した遠隔プログラミングの研究
    力の拘束感提示機能を含む仮想現実環境構築技術とそれを遠隔操作への応用する研究を進めている。物体同士が仮想環境中で接触する際に、発生する接触力を拘束で計算し、力発生装置を介して人に伝える技術を開発、伝送遅延を含むロボットの遠隔操作系に適用して操作性を向上させる問題が検討されている。
  • 視線追従型ヘッドマウントディスプレイ
    ロボットの遠隔操作に有効に使える、高解像、広視野で視覚的映像を取得し、人に提示するヘッドマウントディスプレイの研究を行っている。人が注視している領域を眼球センサで計測し、その領域に高解像、周辺に比較的解像度の荒い像を提示することで、広視野・高解像度化を目指す研究が進められている。
  • ネットワークを活用したロボットの遠隔操作の研究
    インターネット、ISDNなど、通信ネットワークを介してロボットの遠隔操作を効率的に行う技術を研究している。ネットワークに異なった場所に存在する異なるタイプのロボットを複数接続し、それらを一カ所の遠隔操作装置を使って遠隔操作する問題や、一カ所に置かれた複数のロボットを通信回線を介して異なる場所にいる操作者が操作して協調作業を行う問題が検討されている。前者については、日仏間で第1回目の共同実験が行われた。
  • マイクロテレマニピュレーションの研究
    マイクロ手術やマイクロ物体組立をめざし、微少なマニピュレータを通常サイズの操縦用マニピュレータに接続し、微少な物体を遠隔から操作することを可能にする技術が研究されている。微少物体を扱う世界は、マクロな世界と物理法則が異なる。こうした物理法則の違いを克服し、操作性の高い遠隔操作を実現すべく、マイクロ物体の取り扱いに適したマニピュレータの機構設計や、マクロな操縦系の世界とミクロなマニピュレーションの世界を整合させるための スケーリング則とその評価法が提案された。

    人間共存型ロボット技術の研究

  • 人間共存型ロボットの機構と制御に関する研究
    人がいる空間で、人と接触しつつ行動しても安全なロボットの構造と制御を研究している。従来のロボットは、床にしっかり固定して使われているため、運動中に人に接触すると、大きな衝撃が伝わり危険であった。この研究では、ベースが自由に動くマニピュレータを、ロボットの安全構造として提案、作業中に人と接触しても、ベースの動きでそれを緩和し、かつ仕事を継続するマニピュレータの制御法が検討されている。
  • パワーアシスト装置の研究
    人が例えば1の力を出すと、その数倍あるいは数十倍の力を発生して、重量物の搬送を補助するロボットシステムを研究している。この分野の研究では安定な力増幅系を設計することが従来から課題であった。使用アクチュエータの最大トルクを考慮しつつ、重力負荷と、慣性などの動的負荷を分離してそれぞれに個別の増幅比を設定する方式をベースとした安定な力増幅系の設計法が提案され実験で有効性が確認された。現在、移動型パワーアシスト系の制御問題が検討されている。


主な文献リスト

1)神徳、高宗、小森谷、谷江
コンフィギュレーション空間を利用した仮想空間における拘束力計算法
計測自動制御学会論文集、Vol.33, No.10, pp.1-9(1997)

2)荒井、谷江、城間
非駆動関節を有する水平3軸マニピュレータの非ホロノミック拘束下におけるフィードバック制御
日本ロボット学会誌、Vol.15, No.6, pp.943-952(1997).

3)林原、谷江、荒井、渡嘉敷
パワーアシスト装置におけるアシスト比の操作感に基づく評価
電気学会論文誌C、Vol.117-C, No.5, pp.534-539(1997)

4)渡嘉敷、P. Akella、谷江
マクローマイクロテレオペレーションにおけるスケーリング則の評価
日本機械学会論文集(C編)、Vol.63, No.605、pp.141- 149(1997)

5)岩本、谷江、前田
視線追従型ヘッドマウントディスプレイの開発ー注視位置に高解像度像を提示する映像提示方式の検討
電子情報通信学会論文誌DーII、Vol.J79-D-II, No.5, pp.879-888(1996)

6)前川、谷江、小森谷
多指ハンド把握における触覚フィードバックを用いた動的握力制御
計測自動制御学会論文集、Vol.32, No.11, pp.1526-1534(1996)

7)林原、谷江、荒井
パワーアシスト装置の研究
日本機械学会論文集(C編)、Vol.61, No.591, pp.196-203(1995)

8)前川、谷江、小森谷
触覚フィードバックを用いた多指ハンドによる未知形状物体の転がり接触を考慮した操り制御
計測自動制御学会論文集、Vol.31, No.9, pp.1462-1470(1995)

9)前川、谷江、金子、鈴木、堀口、菅原
球面光導波路を用いた指先搭載型触覚センサの開発
計測自動制御学会論文集、Vol.30, No.5, pp.499-508(1994)

10)柴田、大川、谷江、川崎
親子型移動群ロボットの協調行動に関する研究(第1報)
日本機械学会論文集(C編)、Vol.60, No.570, pp.241-247(1994)

11)中村、谷江、前川
多指ハンドによる把持物体剛性制御(第1報)
日本機械学会論文集(C編)、Vol.59, No.566, pp.232-239(1993)

12)神徳、谷江
仮想環境のための干渉力発生アルゴリズム
計測自動制御学会論文集、Vol.29, No.3, pp.347-355(1993)

13)Y. Hayashibara, K. Tanie, H. Arai, H. Tokashiki:
Development of Power Assist System with Individual Compensation Ratio for Gravity and DynamicLoad
Proc. of IEEE Int. Conf. on Intelligent Robots and Systems, (1997)

14)K. Ohkawa, T. Shibata, K. Tanie:
Self-Generating Method of Behavioral Evaluation for Reinforcement Learning among Multiple Coordinated Robots
Proc. of IEEE Int. Conf. on Intelligent Robots and Systems, (1997)

15)N. Shiroma, H. Arai, K. Tanie:
Nonlinear Control of a Planar Free LinkUnder a Nonholonomic Constraint
Proc. of 8th Int. Conf. on Advanced Robotics, pp.103-110(1997)

16)A. Kheddar, C. Tzafestas, P. Coiffet, I. Mazon, C. Laugier, R.Chellali, T. Kotoku, S. Kawabata, K. Iwamoto, K. Tanie:
Parallel Multi-Robots Long Distance Teleoperation
Proc. of Int. Conf. on Advanced Robotics, pp.1007-1012(1997)

17)K. Tanie, H. Maekawa, Y. Nakamura:
Stiffness Control of an Object Grasped by a Multifingered Hand
Theory and Practice of Robots and Manipulators(RoManSy 11), pp.301-310, Springer Wien New York(1997)

18)N.Y. Chong, K. Yokoi, S.R. Oh, K. Tanie;
Position Control of Collision-Tolerant Passive Mobile Manipulator with Base Suspension Characteristics
Proc. of IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, pp.594-599(1997)

19)H. Arai, K. Tanie, N. Shiroma;
Feedback Control of a 3-DOF Planar Underactuated Manipulator
Proc. of IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, pp.703-709(1997)

20)K. Kaneko, H. Tokashiki, K. Tanie, K. Komoriya:
Impedance Shaping Based on Force Feedback Bilateral Control in Macro-Micro Teleoperation System
Proc. of Int. Conf. on Robotics and Automation, pp.710-717(1997)

21)K. Iwamoto, K. Tanie:
Development of an Eye Movement Tracking Type Head Mounted Display: Caputuring and Displaying Real Environment Images with High reality
Proc. of Int. Conf. on Robotics and Automation, pp.3385-3390(1997)

22)H. Tokashiki, P. Akella, K. Kaneko, K. Komoriya, K. Tanie:
Macro-Micro Teleoperated Systems with Sensory Integration
Proc. of IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, pp.1687-1693(1996)


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