機械技術研究所研究発表会
平成10年7月8日(水)9日(木)
●インタラクティブセッション
●ポスターの掲示時間 10時−16時
●説明員の張り付け時間 12:30−14:30
●場所 厚生別棟 多目的室
7月9日(木)エネルギー技術分野
1. 溶融アルカリハライド中における水素還元反応(第5報)
○伊藤 博・長谷川 裕夫(エネルギー部エネルギー変換研究室)
水素−リチウム熱再生型燃料電池のカソード極反応であるアルカリハライド中の水素還元反応における水素挙動について、溶融塩中に溶解した水素と電極中に溶解した水素の相互関係に関する解析結果を報告する。
2. ヘリカル形液封式圧縮機の運転特性
○遠藤 尚樹1・矢部 彰2
(1エネルギー部エネルギー変換研究室)(2極限技術部量子技術研究室)
ヘリカル形液封式圧縮機の運転特性を実験的に解析した。低圧から大気圧まで、空気の圧縮を冷却液にシリコン油を用いて行った。従来の液封式圧縮機に比べ、冷却液供給量を多くする必要があることが明らかになった。
3. 予混合2重管バーナの希薄側保炎特性
○倉田 修(エネルギー部エネルギー変換研究室)
円管バーナの保炎性能を向上させる機構を探すため予混合2重管バーナを試作した。大気圧、常温での燃料希薄側吹き消え限界を調べたところ、円管バーナに比べ希薄側保炎限界の拡大及び吹き飛び流速の増加が見られた。
4. 急拡大保炎器付バーナでの水素−酸素−水蒸気量論比予混合火炎の吹き飛び
○壹岐 典彦1・古谷 博秀1・濱 純2・足永 拓郎3・高橋 三餘4
(1エネルギー部燃焼工学研究室)(2企画室長)(3東京電機大学大学院)(4エネルギー部エネルギー変換研究室)
急拡大管型保炎器付バーナにおける水素−酸素−水蒸気量論比予混合火炎の吹き飛び特性を調べた結果、水素−酸素−アルゴン予混合火炎と比べて、保炎範囲が狭く、必ずしも本保炎器は有効でないことがわかった。
5. コジェネレーション用水素エンジンの研究開発― 急速圧縮されたアルゴン−窒素混合気中に噴射される水素噴流の挙動 ―
○古谷 博秀1・壹岐 典彦1・長岐 裕之2・濱 純3・高橋 三餘4
(1エネルギー部燃焼工学研究室)(2NEDO)(3企画室長)(4エネルギー部エネルギー変換研究室)
エンジニアリング振興協会との共同研究として機械技術研究所で行われているコジェネレーションシステム用水素エンジンの開発計画と、急速圧縮されたアルゴン−窒素混合気中に噴射される水素噴流の可視化結果について報告する。
6. リーンバーンエンジンにおける混合気層状化過程の数値解析
○石川 仁1・後藤 新一1・上野 弘樹2・原山 直也3
(1エネルギー部燃焼工学研究室)(2茨城大学大学院)(3日産ディーゼル工業(株))
希薄燃焼を更に進めた超希薄燃焼の実現を目的として、燃焼室形状やスワールが吸気管内およびシリンダ内での混合状態におよぼす影響について、エンジン燃焼解析プログラムKIVAVを用いたシミュレーションを行った。
7. LPGリーンバーンエンジンの燃焼観察
○後藤 新一1・石川 仁1・Daeyup Lee1・Joseph Shakal1・上野 弘樹2・原山 直也3
(1エネルギー部燃焼工学研究室)(2茨城大学大学院)(3日産ディーゼル工業(株))
LPGを燃料とするリーンバーンエンジンについて、燃焼室形状、スワール強度、プラグ位置などが性能に及ぼす影響を把握するため、可視化エンジンによる燃焼室内燃焼過程の観察を行ったので報告する。
8. LPGリーンバーンエンジンの燃焼現象の解析
○Joseph Shakal 1・Daeyup Lee1・石川 仁1・後藤 新一1・上野 弘樹2・原山 直也3
(1エネルギー部燃焼工学研究室)(2茨城大学大学院)(3日産ディーゼル工業(株))
LPGを燃料とするリーンバーンエンジンについて、可視化エンジンによる燃焼室内燃焼過程の観察をもとに、CH発光領域の解析、クランク角度に対応する火炎伝播形状のg/kWh増解析などを行ったので報告する。
9. 高予混合化ディーゼル燃焼の機関台上試験による検討
○村上 顯1・隆武 強2
(1エネルギー部燃焼工学研究室)(2(財)日本自動車研究所)
ディーゼル燃焼の初期予混合比率を大幅に増し排気浄化を意図した2種類の噴射弁を用い、機関台上試験を行った。その結果、高負荷時においてもスート排出量をほとんどゼロにする運転条件が存在することがわかった。
10. ディーゼル排ガス中のナノメータサイズ粒子の計測
○斉藤 敬三1・篠崎 修1・瀬戸 章文1・綾 信博1・篠山 鋭一1・ J.F. de la Mora2
(1エネルギー部環境技術研究室)(2Yale University, Dept. of. Mech. Eng.)
大気汚染源としてだけでなく、人体への影響から近年注目されている、ディーゼル排気ガス中のナノメーター粒子をDMA、インパクタなどによって計測する系を新たに製作し、実車実験に適用したので報告する。
11. 地球大気における水蒸気および化学種の粒子化制御
○綾 信博・瀬戸 章文・斉藤 敬三(エネルギー部環境技術研究室)
大気中の微粒子は地球温暖化、オゾン層破壊などの地球環境変動に深く関わっている。ここでは、粒子の生成過程・挙動を解析し、その制御を通じて、地球大気環境の修復・再生を図る新技術分野の可能性について議論する。
12. 超音波振動による氷スラリー生成
○稲田 孝明1・張 旭1・矢部 彰1・田中 誠2
(1極限技術部量子技術研究室)(2極限技術部微小機構研究室)
超音波振動による過冷却解消制御効果を市水レベルの清水(水道水)について調べ,氷蓄熱システムへの応用の可能性を検討した。また,超音波振動の付与が氷スラリーの生成手法として有効であることを確認した。
13. タイヤトレッドの表面粗さが氷上性能に与える影響
○二瓶 光弥・清水 健一(エネルギー部エネルギー利用技術研究室)
タイヤトレッドの表面粗さやゴム硬度が異なる種々のタイヤを用いて、室内タイヤ試験機の数種の氷上で制動力特性を調査した。その結果、最大制動力を発生する表面粗さが存在することなどが明らかになった。
14. 電気自動車電池管理システムの実用化研究(T)―最適充電法の検法―
○Abuliti・Abudula1・清水 健一2・白井 信正2
(1NEDO)(2エネルギー部エネルギー利用技術研究室)
アンバランス状態のEV用組電池に充放電をくり返すと、低容量電池が加速度的に劣化し組電池全体の寿命を低下させる。これを防止するために,セリ毎の容量差を僅少にする最適な均等充電方法について述べる。
15. 人間・動力系の研究(第2報)―最適な運動姿勢と筋出力方向を見出すための筋力測定実験―
○岩月 徹1・畑辺 徹2
(1エネルギー部エネルギー利用技術研究室)(2芝浦工業大学)
人間が高効率にパワーを発生できる手足の軌跡を計算で求めたものを前回報告したが、それを確認するため姿勢や力の向きを変えながら人間にとって楽に能力を発揮できる状態を探る実験を行った。その結果を報告する。
16. 低レイノルズ数領域における2次元翼の層流剥離に関する考察
○阿部 裕幸1・松沼 孝幸1・筒井 康賢2
(1エネルギー部流体工学研究室)(2エネルギー部長)
翼弦レイノルズ数が104のオーダにおける翼型の空力特性は、最大揚力値に達する前の低迎角において剥離の影響が顕著に現れる。単独翼及びタービン翼列の実験データより、剥離特性と翼に働く力との関係を検討した。
17. 低レイノルズ数領域における環状タービン翼列特性(主流乱れの影響)
○松沼 孝幸1・阿部 裕幸1・筒井 康賢2
(1エネルギー部流体工学研究室)(2エネルギー部長)
主流の乱れが低レイノルズ数領域で作動するタービン静翼の特性に与える影響を調べた。5孔ピトー管と熱線流速計を用いて翼列出口での圧力・速度を測定して、乱れ度の増加による剥離や二次流れの変化を捉えた。
18. タービンブレード用窒化ケイ素セラミックの粒子衝撃試験(第2報)
○吉田 博夫1・竹原 勇志2・吉田 真3・原 康4
(1エネルギー部流体工学研究室)(2川崎重工(株))(3京セラ(株))(4日本特殊陶業(株))
ガスタービン用窒化ケイ素セラミックの粒子衝撃試験を行った。その結果、破壊する位置と粒子の衝突点とが常に一致するとは限らないこと,引っ張り応力を加えると衝撃強度が低下することなどを見いだした。
19. 低プラントル数流体の熱乱流にみられる新構造
○瀬川 武彦1・佐野 雅己2
(1エネルギー部流体工学研究室)(2東北大学)
水銀熱乱流の統計的性質を、低プラントル数流体を用いた実験としては世界最高のレーリー数:1011まで調べた結果、プルームが存在しないなど今まで研究されてきた熱乱流には見られない様々な特異現象を発見した。